6月に入り,夏らしい暑さと梅雨時期の湿気の多さを感じるようになってきました。早くも1年の半分が終わろうとしていることに少し驚いています。時間は有限なので,目標に向かって今何ができるのか,何をしなければいけないのかを日々考えながら,自分の持っている時間を有意義に使っていきたいですね。
さて,新年度がスタートしてすでに2か月が経過しています。毎年のことながら,多くの高3生が志望校合格に向け,自習室に毎日来て勉強しています。大学入試に向けて一生懸命勉強している姿に感心する一方で,私が気になっていることが1つあります。それは,「国語の大学入試への意識の低さ」です。毎年そうですが,高3生に国語の入試対策をしているかどうか聞いても,「あまりしていない」と答える人が多く,中には「全くしていない」と答える人もいます。ですが,そんなに余裕そうなのに,模試の点数が良いのかというと別にそうでもなく,たまにマーク模試の点数が5割を超えるとなぜか少し満足しているのです。反対に点数が良くないと,「文章が自分に合わなかっただけ」,「文章の内容が難しかっただけ」という言い訳が始まります。果たして本当にそうでしょうか。私は,そもそも国語の大学入試対策をあまりしていないということ自体が間違っていると思いますし,マーク模試の点数が5割を超えても「まだ5割」で,それで満足するのは違うとも思っています。そして,点数が良くなかったときの「文章が自分に合わなかっただけ」,「文章の内容が難しかっただけ」という言い訳も,努力をしていないからこそ出る言葉で,入試で実際に自分に合わない文章や内容が難しい文章が出題される可能性もあるのに,国語の入試対策をこのまましないつもりなのかと疑問に思います。国語にも他の科目と同じように対策の仕方があるはずなのに,それを知ろうともせず,特に対策をしないまま,その場の勘やフィーリングで乗り切ろうとしていいものではないのです。
では,国語はどのように大学入試対策を行っていけばいいのでしょうか。私がこの時期から高3生を指導するのであれば,その生徒の成績や志望校にもよりますが,まずは古文文法や古文単語,さらに漢文の句法を最初から全て覚えることから始めます。そしてそれらを覚えてから,実際に古典の読解問題を解くようにしています。それは,現代文よりも古典の方が覚えていたら正解できる問題が多く,覚える事項をきちんと覚えてから読解演習を繰り返していくことで,効率よく点数を伸ばせるからです。反対に覚える事項が不完全だと,結局その場の勘やフィーリングで解くことになるので,点数が伸びなかったり,点数が安定せずに乱高下を繰り返したりすることになってしまいます。覚えていたら正解できる問題を落とすのは,とてももったいないことです。そのため,国語の点数を伸ばしたいと思ったら,まずは古典の覚える事項を完璧に覚えることからスタートしてみましょう。
そして,覚える事項が完璧に覚えられたら,古典の読解演習に取り組みます。それも単に解いて丸つけをするだけはなく,選択肢の問題であればなぜその選択肢が正解で他の選択肢がダメなのか,根拠は本文のどこにあるのかまで確認するようにします。また,現代語訳などの記述問題では,模範解答を見ながら答えに必要な要素が抜けていないかを確認して直します。さらに,古典では「解いているときに想定していた本文の内容と実は違っていた」ということがよくあります。内容の読み間違いは,古典を解く上でかなり痛いミスです。そのため,現代語訳を確認し,本文の内容を正確に理解します。授業では,これらの確認を生徒と一緒に必ず行うようにしています。一人で問題集を解いて入試対策をする場合であれば,選択肢の精査の仕方や現代語訳などは解説に書かれていると思うので,面倒がらずにそこまでしっかり確認しましょう。その後も,問題を解いて解説を確認して理解することを繰り返していきます。そして,古典の覚える事項を完璧に覚えて古典の読解演習を始めるタイミングで,現代文の読解の演習も同時に始めます。現代文は古典よりも一人で勉強しづらいため,対策もあまりせずにその場の勘やフィーリングで解いている人が特に多いように思います。また,本文を全て読まずに解いている人も少なくありません。読むのが大変なのは分かりますが,国語は本文を読んで理解しなければ問題を解くことはできません。本文を最後まで読んだ上で根拠となる部分を探し,本文に書いてある情報に忠実に従って,選択肢を精査したり答えを記述したりする必要があります。そのため,現代文の大学入試対策をするのであれば,時間がかかってもいいのでまずは本文を全て読んで理解し,それから各設問を解いて答え合わせをするという流れで取り組みましょう。本文のどのあたりにどんな内容が書かれていたかがある程度すぐに思い出せるくらいまで,しっかり本文を読んで理解しておくといいと思います。そして答え合わせですが,古典と同様,単に丸つけをして間違えた問題を直すだけでは無意味です。選択肢の問題であれば,選択肢の精査や根拠がどこにあるかの確認をします。記述の問題では,答えに必要な要素が抜けているごとに減点されるので,答えを書く上で必要な要素は何か,それは本文のどこに書いてあるのかを必ず確認します。また,一人で対策をする場合,記述問題の模範解答は難しい言葉を使って書かれていることもあるので,「こんな答えが自分に書けるはずがない」と思うかもしれません。ですが,そこで諦めるのではなく,「こういう書き方をすればいいのか」という気づきを得て,次の問題を解く際に活かしていくことが大切です。その後も,問題を解き,解説を確認して理解することを繰り返していきます。
国語の大学入試対策について書きましたが,これはあくまで一例で,成績や志望校によって対策の仕方や順序は異なります。ですが共通して言えるのは,「国語の大学入試対策にはしっかり時間をかけて取り組む必要がある」ということです。これを読んで焦っている人もいるかもしれませんが,「国語への意識が低かったな」と気づいた人は,「国語に時間をかけてしっかり対策しよう」という考えに変えてみてください。そうすることで国語の対策の重要性に気づき,自分が今後国語の対策をどのようにしていかなければならないかが少しずつ見えてくるはずです。その中で,もし「どんな勉強をしたらいいのか分からない」,「何から始めればいいのか分からない」と悩み,だれか国語の対策に詳しい人からアドバイスをもらいながら成績アップや志望校合格へと導いてほしいと思った際は,ぜひ一度ステラにご連絡ください。各担当が生徒それぞれの目標や成績を把握し,分析しながら,その子に合った対策の仕方を提案し,継続して勉強し続けられるように導いていきます。また,国語以外の教科について悩んでいる方からのご相談も大歓迎です。ぜひお気軽にご連絡ください。みなさまからのご連絡をお待ちしています。
今月も個別指導塾ステラをよろしくお願いいたします。